botanical print & natural dye
草木染めでも使う鉄媒染剤(または硫酸鉄、硫酸第一鉄)はアルミ媒染剤(ミョウバン)とともに最もよく使われる媒染剤の1つです。
媒染剤はエコプリントで植物の形や色をプリントをする際に染料を繊維に結びつけるのに役立ちます。
鉄媒染剤は、植物の色素をより暗く、またはより落ち着いた色合いに変えますが、輪郭をくっきりとさせるのにも役立ちます。
わざわざ染色店から取り寄せなくても、自宅で簡単に作れるものなので、作り方をご紹介します。
1.鉄くぎ、またはスチールウールを錆びさせます。この過程は省略して直接ガラス瓶に入れた素材に酢を注いでも大丈夫ですが、素材が錆びているとより早く鉄媒染剤ができあがります。
錆びさせかたは簡単!素材をいったん酢にひたして、日のあたるところで乾かすだけ。(上の写真のように赤く錆びた部分が鉄媒染になります。)
2.酢とスチールウールを混ぜる: 裂いたスチールウール、または鉄くぎをガラス瓶に入れます。素材が完全に覆われるように酢を瓶に注ぎます。使用する酢の量は、瓶のサイズとスチールウールの量によって異なりますが、一般的な比率は素材1に対して酢2です。
3.鉄媒染ができるのを待つ: 瓶をあたたかい場所に置き、酸化させます。直射日光のもとで酸化させてもいいですが、酢が蒸発しきってしまわないように確認しましょう。
鉄媒染液ができるまでに少なくとも1週間以上は放置する必要がありますが、温度と酢の濃度によって、過程は早まるか遅くなることがあります。液体がだんだん薄い茶色から濃い茶色に変化していくことがわかります。
4.ときどきかき混ぜる: 素材が濃い茶色になるまで、混合物をときどき混ぜます。写真のように鉄片を使った場合は、酢にひたる部分を変えるためにひっくり返してつけています。
5.保存する:できあがった液体に蓋をして保存します。使うのはほんの少しだけなので、鉄素材を入れたまま保存し、上澄みの綺麗な液体の部分を使います。
6.新たに作りたい場合は素材を別のガラス瓶に入れて1から作り直すか、酢を注いで放置して錆びるのを待ちます。
媒染液は直接さわると手に色がつくので、手袋を使用するようにしてください。また混ぜたり濾したりする過程では、換気の良い場所で作業を行ってください。お子さんや家族の方が何かと間違って使ったりしないように、内容物を記載したラベルを貼ることをおすすめします。この自家製鉄媒染剤は、草木染めにも使用できます。媒染剤の効果は使用する量、繊維の量、植物素材によって大きく異なるため、実験が必要です。